幼なじみ〜first love〜
俺は、こっそり女の手帳を見て次々と真実を知った。
女は、10年前から父ちゃんと同じ会社で、その時からずっと愛人関係にあったこと。
俺が小さい頃から、ほとんど家に帰って来なかった父ちゃんは、この女と半同棲状態にあったこと。
この女は現在、父ちゃんの秘書であるということ。
そして…手帳から一枚の写真が出てきた。
父ちゃんと女のツーショット写真…
見たことのある風景だった。
俺は、写真の日付を見て、手帳の日記と照らし合わせた。
“一週間ほど別荘へ旅行”
……俺が絢音と行ったあの別荘は、父ちゃんとこの女が何度も旅行に使っていた場所だった。
だから、母ちゃんも俺も別荘の存在を知らなかったんだ。
だから、絢音と別荘へ行った時、食料以外は揃っていたんだ。
頭の中のパズルが
どんどんはまってく……
仕事が忙しいなんて
嘘だったに違いない
全てこの女と
過ごす為の時間だったんだ
小さい頃からずっと
寂しかった
父親参観日も運動会も
クリスマス会も
何一つ来てくれなかった
みんな日曜日は
父親とキャッチボールしたりするのに
そんなの一度もなかった
毎週日曜日
俺と遊んでくれたのは
いつも絢音の父ちゃんだった
おいしいご飯を作ってくれたのは
絢音の母ちゃんだった
俺のそばで笑顔くれたのは
いつも絢音だった
父ちゃんも母ちゃんも
俺も
最初から
“家族”なんて呼べなかったんだ……――
女は、10年前から父ちゃんと同じ会社で、その時からずっと愛人関係にあったこと。
俺が小さい頃から、ほとんど家に帰って来なかった父ちゃんは、この女と半同棲状態にあったこと。
この女は現在、父ちゃんの秘書であるということ。
そして…手帳から一枚の写真が出てきた。
父ちゃんと女のツーショット写真…
見たことのある風景だった。
俺は、写真の日付を見て、手帳の日記と照らし合わせた。
“一週間ほど別荘へ旅行”
……俺が絢音と行ったあの別荘は、父ちゃんとこの女が何度も旅行に使っていた場所だった。
だから、母ちゃんも俺も別荘の存在を知らなかったんだ。
だから、絢音と別荘へ行った時、食料以外は揃っていたんだ。
頭の中のパズルが
どんどんはまってく……
仕事が忙しいなんて
嘘だったに違いない
全てこの女と
過ごす為の時間だったんだ
小さい頃からずっと
寂しかった
父親参観日も運動会も
クリスマス会も
何一つ来てくれなかった
みんな日曜日は
父親とキャッチボールしたりするのに
そんなの一度もなかった
毎週日曜日
俺と遊んでくれたのは
いつも絢音の父ちゃんだった
おいしいご飯を作ってくれたのは
絢音の母ちゃんだった
俺のそばで笑顔くれたのは
いつも絢音だった
父ちゃんも母ちゃんも
俺も
最初から
“家族”なんて呼べなかったんだ……――