幼なじみ〜first love〜
雪の斜面を軽やかに滑ってくる人々がたくさんいることに衝撃を受けた。




スノボーって

何てカッコ良くて

素敵なスポーツ……




……と言いたいけど




――…ザザザッ…




「どや?惚れ直したやろ…?」




満面の笑顔でピースをくりだす遊也。




「ホント…何でも出来ちゃうんだから…」




遊也は、本当に何でも出来て…羨ましい。でも負けず嫌いは、もう一人いる。




誰よりも高く

美しく跳んでくる




白い粉雪が舞った




ザザザーッ……―――




「遊也…っ!スノボは俺の勝ちだなっ!」




蒼が舌を出して、わざと遊也を挑発するようなことを言う。




「なんやてっ!?おまえより俺のが上手いわ、アホっ」




負けず嫌いな2人は、相変わらず変わってない。




「アホ蒼!勝負やっ」




「相変わらずガキ…」




「なんか言うたか?絢音」




「いいえ、なんも」




すごく…懐かしく感じた




こんなふうにまた

蒼と遊也のくだらないケンカが見れるなんて…




高1の頃を思い出す……




まだ皆が一緒だった




無邪気で
無垢で


楽しくて
ケンカして


バカやって


泣いて
また笑って


そんな毎日が
あたりまえだった




あの頃……―――






かけがえのない

大切な時間は…もう戻らない



今でも
あの頃の

一瞬、一瞬が鮮明に思い出されるのに……



どんなに泣いても

どんなに願っても



時間は

二度と戻らない



戻せない……



懐かしいあの頃は…

思い出に
記憶に変わる……




想いは…色褪せないで

この胸の中で



続いているのに………
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