ベイビーベイビーベイビー
 

 ひどく具合が悪そうだった――…

 冴子は本多の言葉を心の中で呟いた。

「まぁ、何かあったらフォローをよろしく頼むな」

 本多はそれだけ言うと、再び自分の席へと戻っていった。


「真理江、大丈夫かしら……」

 それから間もなく冴子の携帯電話にも、真理江から謝罪のメールが届いた。


――突然ごめんね。
  具合が悪くて、今日はどうしても
  行けそうにないの。
  折角お店の予約もしてくれたのに、
  迷惑かけてごめんなさい。
  何かあったら電話してね ――


 具合か悪いのにも関わらず、相変わらず真理江らしい丁寧なメールであった。


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