ベイビーベイビーベイビー
 

「ううん! 突然来た私が悪いんだもの。
 それより真理江、夕飯食べてないでしょ?
 今夜は私がクリームシチューでも作ろうと思って、これ」

 冴子はここに来る途中に買ってきたらしい、様々な野菜が入ったスーパーのビニール袋を真理江に見せた。

「うそぉ、ありがとう!」

 真理江は心から嬉しそうに礼を述べた。


 しかし真理江の顔は未だ青く、腫れた目は今さっきまで泣いていた事を容易に想像させた。

「ねぅ、どうしたの?一体何があったの?」

冴子は率直に真理江に尋ねた。

「冴子、ゴメンね」

 その瞬間、真理江の瞳から、抑えていたのであろう、大量の涙が零れては落ちた。


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