ベイビーベイビーベイビー
真理江はこの週末に起きた出来事を、包み隠さず全て冴子に話した。
先週の金曜日から5日間、一度も祥吾と連絡をとる事ができないでいる事。
そればかりか、日曜日には、祥吾の携帯電話は持ち主に着信を伝える事もしなくなった事。
不安になった真理江は、夜を待ち、こっそりと祥吾のマンションを覗きに行ってはみたものの、部屋は暗闇に包まれ、人の居る気配すらなかった事。
誰かに助けを求めたくとも、祥吾は既婚者であるし、そもそも祥吾の友だちや共に仕事をしている同僚の名前すら分からない事。
そして―――…
もはや自分という存在の意味すら分からず、その無力さ、頼りなさに自分を責め続けた事―――…
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