ベイビーベイビーベイビー
つまらない思念を持ってここを訪問した自分に対し、妙子から“息子みたいなものだから”などという最上級の言葉を貰ってしまった藤堂は、急に自分の器の小ささが恥ずかしくなった。
そして同時に、飛び上がるほどに嬉しかった。
藤堂くらいの年齢になると、子ども扱いしてもらえるという事が、本当にありがたいことだと身に染みてわかる。
「じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな」
そしてそれに素直に応えることが、今できる恩返しのような気がした。
「そうなさい。さぁ、入って!」
藤堂は開いた車のドアを再び閉めると、妙子に続き、軽い足取りで吉田の家に入っていった。