ベイビーベイビーベイビー
 
 これまでに何回も足を踏み入れたことのある吉田の家の食卓に入ると、そこには先程まで会いたくて仕方のなかった麻美の姿があった。

 早速にでも根掘り葉掘り聞きたい気持ちが逸るけれど、とりあえずここは悟られぬよう、

「やぁ、麻美ちゃん。東京から戻ってきていたんだね?」

と、藤堂は何食わぬ顔で麻美に声をかけた。

「そうよ、明日から仕事だもの。お昼ごろには帰ってきたの。
 藤堂さん、お茶がいい?それとも紅茶の方がいいのかしら?」

 この間とは違い普段着の麻美は、いつも通りあっけらかんと藤堂に尋ねた。

「あ、いいよいいよ。お構い無く。
 お気遣いありがとう」

 藤堂はそんな相変わらずの麻美を嬉しく思い、軽く頭を下げた。



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