ベイビーベイビーベイビー
「遠慮しないでよ!じゃあ、紅茶にしましょ。
実は百合子おばさんからオレンジペコーの茶葉を頂いて帰ってきたの。
私も頂きたいから、藤堂さん、よろしければご一緒して下さるかしら?」
藤堂の気持ちなど知らぬ麻美は、誰の真似なのか 首を傾げながら台詞めいた言葉で以っておどけた様子で誘った。
本当に面白い子だなと再認しながら、藤堂は、
「恐れ入ります、お嬢様。光栄です。
私なんぞでよろしければ、喜んでお付き合いいたします」
と、パートナーというよりは下僕のような台詞を選んでそれに答え、更には深々と頭を下げてみせた。
「うふふ!じゃあ、ちょっと待っててね!」
これに気をよくした麻美は、満面の笑みを浮かべると、小走りで妙子のいるキッチンに消えた。
まだまだ子どものような麻美の背中を見送りながら、やっぱり麻美には これからもこのままで、そして幸せであって欲しいと、藤堂は改めて思った。