爆走ハラスメント〜ツンデレ生徒会と硬派な王子達
「ったく。何しに来たのよ。」


葉子がディランを一喝すると、ディランは思い出したかのようにポケットに手を入れた。


「そうだ、これだ。これは何だ。」


ディランが取り出したのは、折り畳(タタ)まれたポスターだった。


和葉は折り畳まれたままのポスターに手を伸ばすと、ディランから受け取った。


「何これ?…あ、これ《格闘技部》のポスターだ。」


ディランが持っていたのは、《総合格闘技部》の部員勧誘ポスターだ。


あれから部員は1人も増えていない。なのになぜか専属応援団は出来ていた。


「秀が傍についていながら、葉子ちゃんにこんな破廉恥(ハレンチ)な格好をさせて…!」


ディランは怒りで声が震えている。横では葉子が呆れて、冷めた目をしていた。


「それなら私を呼べば良いじゃない。真幸君には何の関係もないでしょ。」


「ある!なんだこの《総合格闘技部》と言うのは!?葉子ちゃんを総合に巻き込んで!」


「部活はあたしが提案したのよ!」


葉子もヒートアップしてきた。


和葉は下を向いて、黙ってやり取りを聞いている。
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