Drop Piece
スタッフが持ってきた水を口に運ぶ。俺ばっかり喋ってんから、かなりきつい。
「白羽壱流っ!」
フルネームで俺を呼ぶ奴は一人しかいない。溜め息をついて振り返った。
「んだよ」
そこにはさっきまで無表情だった奴が笑って立っていた。
同一人物かよ、ってぐらい。
「今んとこNGお互いだしてないねっ!」
「お前誰に言ってんの?」
「白羽壱流!」
俺がNGとか、ねぇから。
「あたしねっ!だしまくるんだ。だからNG大賞いつもGETするの」
すごい?という風に胸をはる高崎を見て呆れる。
「ださない、とか言えねぇのかよ」
「だってだしちゃうものはだしちゃうんだよ」
「足、引っ張んなよ」
顔を背ける。
こいつと笠置美音が混同され、少しだけ戸惑った。
…まじ同一人物なのかよ。
「じゃ、ださないように頑張る」
「あー…はいはい」
女優とぺらぺら喋りまくってる俺が気持ち悪く思えて適当にあしらった。
「本気にしてないでしょ!?じゃいいよ!あたしがだしたら何かしてあげるっ!」
「あっそ、俺もう行くからな」
「何してほしい?」
「俺、行くっつって…」
「何?」
こいつ、あの酔っ払いばばぁと同じタイプだ…。
こうゆうのはさっさと会話を終わらせた方がいい、というのをばばぁから身を持って教えられた。
「“なんか奢る”。もう言ったし、俺行くから」
「頑張るから、あたし!」
なに喋りまくってんだよ、俺。