Drop Piece
時刻はすでに18時。
外はすでに暗くなっていた。
その為、室内での撮影となった。
病院を抜け出そうとする祐樹と、それに居合わせる美音のシーン。
『……っくそ』
車椅子が上手く使いこなせずに、なかなか前へ進まない。
『…んなとこ、出てってやる』
俺は、鳥かごの中に閉じ込められる気なんかさらさらない。
入り口までまだまだ。
慣れない車椅子の操作に手こずり腕もだんだんと疲れてきて、憎々しげに足を見つめる。
包帯に包まれて全く動かせない俺の翼。
サッカーの練習帰りにトラックにひかれて全治三ヶ月。
たったの三ヶ月だよ、とみんなに言われた。
だけどその間にも仲間たちは練習して、どんどん上手くなってく。
俺だって今頃必死に練習してる筈だった。
そして……。
三ヶ月後の試合にレギュラーとして出ている筈だった。
その試合の時に完治してるかもわかんねぇ。
見る…だけしかできない。
『そんなんになって……たまるかよ』
額に浮かんだ汗がぽとり、と滴れる。
そう簡単には…いかなかった。
─ガタンっ
車椅子全体に響く振動。
角にぶつかってタイヤが引っ掛かっていた。
がたがた、と揺らしても外れない。
『…ちくしょう…っ!』
だが、いきなり後ろから力を感じる。
タイヤが外れ、真っすぐになった。
後ろを勢い良く振り替える。
『お前……』