Drop Piece



微熱を含むその声があたしの耳をくすぐる。


「利央…」

「じゃぁ、光が教えてよ。光なら俺…」

「フラフラしちゃダメだよ」


ごつん、と額をぶつける。


「もったいないよ、利央」

痛そうに額をさすりながら、あたしを見つめる利央。


「利央、すごい素敵な笑顔持ってるのに」

「ひか……」

「女の子のこと好きになったことないんでしょ?」

「………!!」


図星なのか目を真ん丸くする。


「“何でも愛されたいならまず自分から愛さなきゃ”」



頭の中である人の声が響いた。

“あの人”が言ってくれたこの言葉。


あたしの……目標だよ。



「大切な存在ができるってすごいことだと思うの」


だから、利央。


「その大切な存在を愛してみて」


そしたら、もう本気でなんか応えれるわけないなんて言えないよ?きっと。



「ね?」


にこっと笑う。


「それが光でも?」

悪戯そうな目をするけど、あたしにはお見通し!!


「うん!もう利央に負けないくらいの愛で応えてあげるっ!」


呆気にとられた利央を見て、心のなかでピースをした。



< 80 / 340 >

この作品をシェア

pagetop