Drop Piece
時間を見ると、もう五時を過ぎていた。
「わ!もう二時間もいたんだねー時間早いっ!!」
まだぽかん、としている利央の顔の前で手を振る。
「利央?利央くーん?」
「………っえ?」
「あたし、七時から約束あるからごめん、帰るね?」
利央の瞳がぴくり、と震える。
「約束?」
「うん。あいつと」
NGをだしちゃったからね…。
あいつ、と言われてもぴん、とこないらしく頭を傾げる利央。
「あいつ?」
「白羽壱流」
「いち…ると?」
確かにあたしと白羽壱流のコンビは希少かもしれないなー…。
「ドラマもやるしねっ!!語ろっかなぁって」
「壱流と…」
何故か空気がどよん、としていて利央から戸惑いオーラがあふれ出てた。
「え、利央?」
「………」
何も喋らない利央が心配だったけど、あたしはいそいそと帰る支度をする。
あ、伝票…。
お金を確認しようとして、伝票に手をのばすと利央に阻まれた。
「俺の奢りっ!!」
「え、いいよっ!悪いもん!!」
あたしの反論が気に入らなかったのか頬を膨らましてきた。