Drop Piece



すこし顔をそむけてぼそり。

「…最後ぐらい、かっこつけさせてよ」

「え?」


自分に対して呟いたかのように、小さな声で聞こえなかった。


「なんか言った?利央」

「…別にっ!早く壱流のところに行っちゃえばっ!!」


頬をますます膨らませて怒る利央に戸惑う。

……何が気に入らないんだろう。

「じゃ、お言葉に甘えてっ!!ご馳走様でしたっ」


ステンドグラスの扉に手を掛けると、後ろから呼び止められた。


「光…っ、メアド教えて?」

びっくりして、もう一度利央を見つめたら目を逸らされた。


「俺から…メアド聞くの初めてなんだからねっ!」

「じゃ、あたし記念すべき一人目じゃん!」

にこっと笑い、赤外線をむける。


画面には送信中の文字。

そして完了、と点滅した。



「よし、完了っと!じゃ、またね利央!またご飯に行こうねー」

あたしは手を振って外へ。



さてさて、ボスザルとの面会へ!



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