Drop Piece
静かになった部屋に小さなため息が漏れる。
……この部屋は、ShiNe専用だった。メンバー以外は絶対にいれない。
メンバーだけがありのままの俺を見てくれる。そんな空間を作り出してくれるこの部屋に…女の子なんかいれたくなかったんだ。
紅茶を一口飲むと、甘い波が口の中に広がった。
…俺はいわゆる、週刊誌の常連さん。
載るときは毎回違う女の子。
女の子が好き、とかじゃなくて。
誰かが傍にいないと、やってられないんだもん。
『利央くん、かわいーっ』
『ありがとー!』
『利央くんが彼氏だと自慢できちゃうんだよねー』
『そーなんだ?』
ねぇ、君たちが見てたのはShiNeの【利央】?
携帯の画面に映っている、光のアドレスと電話番号。
最初は面白いなー、しか思わなかったんだよ?…すぐ落ちるなって思ってたけど。
ただ、なんか今までの子と違くてメンバーも変わってきて…。
俺が落とすー、とか言ってみたけど本当は違うんだよ。
確かめたかったんだ。
本物だっ…て。
電話帳を開き、一番最初に光を見抜いた彼のダイヤルを押す。