Drop Piece



「晴のやつが、一番最近に付き合ってた子わかるか?」

「…っごほ」


さらりと流れていくはずの水が変なところで荒れだち、むせる。


「なんで晴の女の話になんだよ」

「結ちゃんってモデルだろ?」


馬鹿もあ、と声を洩らした。


「あたしも知ってる!モデルの子だよね」

「んでお前も知ってんだよ」


思い切り顔をしかめると、能天気な顔を傾げてきた。



「この前雑誌の撮影してる時に、そんな話をしてた」

「あ、そ」


白羽壱流から聞いてきたんじゃん!と騒ぐ馬鹿を無視し、オーナーを見る。


「で、その結って女がどうしたんだよ」


メンバーの前の彼女とかもう関係ねぇし、しかも晴とその結って奴、晴が無理矢理付き合わされてたし。


…ヘタレだからな。


「カウンター席で“まだ晴くんと別れたくないのぉっ!大好きなのー!!”とか荒れてたから晴、大丈夫か心配になってな」


…また付き合わされてたりしてな。

容易に想像でき、一応電話してみた。


『はい、俺!!』

第一声のアホ加減を聞き、電話を切ってやろうかと思った。



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