ウルフ
『うん…』


レイが呟く


『仕方ないよ…、レイ…』

マグと呼ばれたロボットが、レイを見つめながら言った


『……寒い…』


小屋は外と変わりない程の温度になっていた

『どうする?』


レイにマグが問いかける


『とりあえず…』


レイはハンガーに掛けてあった毛皮のコートをはおった


『泥棒…』


マグが呟く


『この場合は持ち主がいないし問題ない』


『ハイハイ、そうですか…』


レイはマグをチラリと見た


『寒さを感じないの羨ましいな…』


『また言う』


レイは荷物をまとめ小屋を出た


『ふ~、疲れた』


『とんだ災難だったねレイ』


レイは凍えながらこう呟く


『けどコートは買わなくてよかった…』


雪面には足跡が刻まれていく
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