冬物語


「『心因性失声』と言って、心理的な原因によって発症するものです。」




医者がそうあたしに告げた。


お母さんの顔をちらっと見ると、真剣に医者の話を聞いていた。




「カウンセリング、通いますか?」



医者のその質問に、あたしは首を横に振った。





「ノートやペンを毎日持って過ごしてください。

あと、声を出す練習も欠かさないように。本当はカウンセリングに通っていただいて精神面を鍛えてながら治療していくんですけど、本人が嫌と言うなら無理にとは言いません。

ただ、声が出ないというのはとても不便なことなので、周りの人たちにも協力していただけるように話しておいてください。」





「わかりました。 ありがとうございます。」





あたしとお母さんは病院を出た。



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