Office Love 〜社長と私〜
「ええっと・・・?」
「遅い。早くよこせ。」
一応急いだつもりなんですけど・・・?
まぁ、思うだけだけどね?
少し歩いた場所の社長が座っている机の上に、買った定食と貰ったケーキを置いた。
それを見た後、定食を早々と口にしていく社長。
・・・早っ。
よっぽど、お腹空いてたんだな・・・。
勢いよくご飯を頬張る姿は、まるで子供のようで。
ちょっとだけ・・・。
ほんの少し
可愛く思えた。
「はぁ・・・。食った。」
結構の量の朝食をペロッとたいらげた社長。
「これ、何?」
そしてケーキが入っている箱を持ちながら問いかけてきた。
「食堂のおばさんがくれたケーキです。」
「甘いの苦手なんだけど?」
と言いつつ、渋々箱を開けていく。
開いた箱からは、真っ白な美味しそうなケーキが顔を出している。
いいなぁ・・・。食べたい・・・。
社長は、人差し指でクリームを掬い口に運んだ。
「甘・・・。」
そりゃあケーキですもの。
美味しそうなケーキを眺めていると、社長とばちっと目が合ってしまった。
「何?欲しいの?」
「え・・・いや・・・」
人間、正直なもので。
言葉を濁らせてしまう。
それを聞いた社長は、にやっと口を上げた。
そして、もう一度指でクリームを掬い私の前に差し出した。
「舐めろ。」