空の少女と海の少年
「……でか。」
「………。」
公園にいた魔物の姿は羽のはえた狼
しかしでかい
30階建てのビルくらい
こんなでかい奴は見たことない
「でも中級だよな……?なら一瞬で燃え尽きろ!」
右手に火の玉を作り出して魔物に放った
中級ならこれで燃え尽きるはず
奈々は余裕そうに
眺めてたが目を細めた
「……陸!そいつただの中級じゃないわ!」
「みたいだな。」
燃え尽きるどころか
体を震わせて火を払った
魔物を見て舌打ちする
さあ…どうするかな?
「そうだわ!陸、手出さないでね。」
「は?」
奈々がブレスレットに触れると
ジュエルが光り出した
光が消えると
奈々の両手には銀の扇子があった
「嘘だろ……。いつから使えるんだよ。」
「蓮と戦った時から!……はぁっ!」
奈々は魔物に飛びかかると可憐に舞った
俺は奈々の舞を黙って見ていた
勝負は一瞬で終わり
魔物は砂になり消え去った
蓮と戦った時……って
俺がやられた後だよな
「格好悪いな。」
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