空の少女と海の少年


春と陸がと喜んでいる隣では
無表情の奈央がコップに
お茶をついでいた

玲と蘭はビクビクしながら声をかける


「「奈央ちゃん……。」」

「……へ?」

「「お茶こぼれてるよ。」」


奈央はコップを見ると
お茶が入りきらないで溢れている
しばらくそのまま眺めていたが
ハッとすると慌ててタオルを探し始めた


「たっタオルー…ああっ!めんどいっ!『結晶化!』」


奈央が叫ぶとお茶は固まった
それを拾いながら
溜め息をつく奈央の様子に
玲と蘭は心配そうに顔を見合わせた

さっきまで元気だったのに
どうしたのだろうか

奈央の視線の先を追った
奈々と海斗は少し分かった気がした

視線の先には楽しそうに
話している優と由紀がいた


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