空の少女と海の少年


光のおかげで周りは照らされたが
奥には深い闇が続いている

春は少し怖くなり海斗の腕を掴むと
海斗はしっかりと
春の肩を抱き締めてあげた

奈々と陸もはぐれないように
手を繋いで歩いている

ピタリと4人は足を止めた


「分かれ道か。どうする?」

「……風が吹いてる方が出口とか聞いたことない?春、風とか分かる?」


奈々が不安げに聞くと
春はにっこり笑ってピースした

右の道の前に行き
目を瞑り集中すると
小さな風を起こして
風の動きを辿った

しばらくして風が壁に
ぶつかるのを感じとると
パチッと目を開いた


「左の道だと思う!」

「すげーな楠木は。そんな事もできるのかよ。」

「ウタと契約したからね〜。」


春がにこにこしながら
左の道を進んで行くと
3人も後に続いた

その先も春の力で
外に続く道を探し出して
順調に洞窟を進んでいった


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