空の少女と海の少年


しかし
奥に進むにつれて嫌な気配が
強くなるのを感じていた


「魔物かしら。」

「結構強そうだな。」


春は海斗の手をぎゅっと握る

気配に敏感な春は感じていた
この気配は魔物ではないことを


「……春どうした?」

「ううん…何でもないよ。」

「ばーか。何でもなくないだろ。……安心しろよ。あいつに春は渡さねえから。」


髪をクシャっと撫でられて
驚いて顔をあげると
真剣な顔の海斗と目が合った


「……気づいてたの?」

「あいつの気配は嫌でも覚えたからな。……って、ここか。」


広い空間に出ると目に入ったのは
大きな岩と金髪の少年


「……蓮。」

「久しぶりだね春ちゃん。」


蓮は春を見て微笑んだ


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