空の少女と海の少年
嫌な沈黙の中
海斗が春を後ろに追いやると
陸と奈々も前に出た
いつ戦いが始まってもおかしくない状態
蓮はクスクスと笑うと
両手を上にあげた
「僕は戦う為に来たんじゃないよ。もちろん春ちゃんを奪う為でもない。古賀海斗、この空間に結界を張ってくれる?」
「バカか?誰がてめえの言う事なんて聞くかよ……って楠木?」
拳を上げた陸の手を掴むと
春は蓮の目をじっと見た
しばらく見た後に
小さく笑うと陸の手を離した
「海斗、結界張って。蓮は嘘をついてないよ。」
「……ま、春が言うなら本当だろ。『ミウ、融合だ。』」
『分かった。』
ミウと融合した海斗は黒い結界を張った
広い空間が黒に覆われると
海斗は融合を解いて蓮を見た
「これでいいんだろ?早く話せ。」
「悪いね。ねえ闇の神、この結界が張ってある限り中の事は誰にも分からないよね?」
『そうだよ。……君はリールの部下じゃないの?』
蓮は首を横に振ると
ミウを睨みつけた
「僕は魔神様に仕えてるだけで、あの女の部下になった覚えはない。……今日は君たちに頼みがあって来た。」
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