空の少女と海の少年


──魔王の城のバルコニーに
堕天使リールは立っていた

遠くを見つめる赤い瞳には
怒りの色が浮かんでいる


『なぜ山の主が魔物になっていないのかしら。』

『……空と海の仕業かと。』


後ろに跪く3人の魔神の1人が言うと
リールは振り向いた


『空と海がどうして生きているのかしら。私が閉じ込められている間、あなた達は遊んでいたの?』

『申し訳御座いません。我々も部下を向かわせているのですが……。』

『……そうだわ。』


リールは面白そうに
微笑むと片手を上にあげ
魔神達の額には嫌な汗が浮かんできた


『姫……まさか。』

『そのまさかよ。私の人形ならあの子供達を殺せるわ。』


黒い雷がゴロゴロと鳴り響くと
リールの前に魔法陣が広がる

危険を察知した魔神達が
後ろに跳ぶと同時に
魔法陣に雷が落ちた

煙が晴れるとそこには
リールそっくりの
小さな女の子が立っていた


『……さあ、私の可愛い人形。空と海を殺してきて。』


女の子は頷くと
右手に鎌を作り出して
空間を切り裂き
人間界に羽ばたいていった


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