空の少女と海の少年
「──ぬああっ!どこにあるんだよ宝物ー!」
「煩いわ陸。それ以上騒ぐなら肺を潰すわよ。」
「申し訳ありませぬ。」
奈々の黒い微笑みに
生命の危機を感じた陸は
速やかに土下座した
数時間前
山の主に洞窟の出口まで
送ってもらった後
4人は山頂を目指して歩いていた
途中、虹色の虫や黄金の林檎など
宝っぽい物をたくさん
見つけたが全て偽物だった
体力的にも精神的にも
疲れてきた頃
やっと山頂に着いた
「よっしゃ山頂ー!」
「……ねえ、あの穴は何かしら。」
「……まさか。この中じゃねえだろ。」
4人はグツグツと溶岩が
煮え立った噴火口を覗き込むと
顔を見合わせた
この中に宝があったとしても
取るのは不可能
絶対溶ける
「とりあえず地図を出して。なにかヒントがあるかもしれないわ。」
「そうだねー……わあっ!地図がああ……。」
いきなり吹いた強い風に飛ばされて
春の地図は溶岩の中に落ちてしまった
春は放心状態のまま溶岩を
見つめているとハッとして
後ろで地図を広げる
海斗の髪をひっぱった
「っいってえ!離せ春!落ち着け!」
「見て見て見て見て!」
痛む頭を抑えながら
噴火口を覗き込んだ海斗は
春の指差す先を見て絶句した
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