空の少女と海の少年


「──だけど春は蓮を裏切っちゃった……。蓮は今あの城で独りぼっちなんだよ……。」

「……春は蓮のところに戻りたいの?」


奈々の言葉に春は首を横に振った


「どうすればいいのか分からない。春は……みんなから離れたくない。けど、そしたら蓮は……。」

「私は春を離す気はないわ。というか、海斗が離さないわよ。」

「………。」


奈々は微笑むと
春の額にデコピンした


「痛っ!何するのーっ!」

「馬鹿ね春は。よーく考えなさい。」


湯船から上がる奈々を見ると
奈々はふっと微笑んだ


「私達から離れなくても蓮を1人にしない方法があるじゃない。私はいいと思うわ……海斗は分からないけどね。」

「蓮を1人にしない方法……?」


ガラガラ


更衣室に奈々が消えると
春は月を見つめた


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