空の少女と海の少年
「………はあ。」
海斗は溜め息をつくと
ベッドから起き上がった
その音にビクッとした蓮は
涙を拭き取ると黙って海斗を見た
「……やっぱお前は春の兄貴だな。自分で全部抱え込んで、誰にも相談しないとこなんてそっくりだぜ。」
「………。」
「付き合えよ。行きたいとこあんだけど、俺は空を飛べないからお前が空間繋げろ。」
「……一人で行けばいいじゃん。」
「いいから早く準備しろ。」
海斗が着替え始めるのを見て
仕方なく蓮も着替え始めた
海斗は着替え終わると
陸を起こすよう言い残して
部屋を出て行った
「……訳わかんないし。」
海斗の出て行った扉に文句を言うと
枕を抱き締めてキスしてる
気持ち悪い陸を叩き起こした
「いたあっ!ごめんなさい奈々様ー……なんだ夢か。」
(どんな夢見てたんだよ。)
「あ、蓮おはー!つか海斗は?あいつがこんな早く起きるなんてどうしたんだ?」
「なんか行きたいとこあるんだって。早く着替えないと怒られるよ。」
怒られるよ
と聞こえた瞬間陸はベッドから
飛び降りて着替えを始めた
……ほんとどこ行くんだろ
着替え終わった蓮はベッドに座って
ぼんやりと窓の外を眺めていた
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