空の少女と海の少年


「……できた…。」

「さすがじゃん。じゃ、行くか。」

「早く早くっ!」


春に急かされて扉を開けると
目の前は真っ青な海──


「うそっ!」
「ひゃあっ!」
「「「バカ蓮っ!」」」


扉は海の上に作られてたらしい
蓮達は全員海に落ちてしまったが
ポカンとして顔を見合わせると爆笑した


「せっかくの服が濡れちゃったわ。」

「水着着といて正解だね〜。」


奈々と春は器用に服を脱ぐと
水着になって遊び始めた
奈々は真っ白な水着
春はパステルピンクの水着

2人に釘付けになった男共に
奈々は微笑むと両手を前に突き出した

その瞬間3人は海水に飲み込まれ
丸い水球に閉じ込められたまま
宙に浮くと奈々は春を抱き締めた


「私の可愛い春をいやらしい目で見る奴は窒息死よ。」

「なっ奈々っ!ほんとに死にそう……じゃない。」


いや、陸と蓮は死にそうだが
海斗だけは違った
全然に苦しそうに見えないし
水の中で呼吸をしているようだ

奈々と春が唖然としてると
重力が元に戻って3人は海に落ちた

2人は苦しそうに酸素を取り込むと
ふぅーと息をゆっくり吐いた


「し…死んだぜ。」

「一瞬お花畑が見えたよ……。」


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