空の少女と海の少年


──冷たく湿った風が髪を撫でた


『……何の用だ。』

『こんなとこで何してるのかな〜って思って。』


学生寮の屋上に座って
学園を眺めていたサラの
隣にウタは座った


海から帰ってきた春達は
遊び疲れて眠っていた

最近は力が強くなってきた
春と海斗のおかげで
楽園と人間界を自由に
行き来できるようになった

だからこうして
人間界を眺めるのが
サラは好きになった


『なあウタ。』

『ん?』

『春達は強いな。歴代のどの王や神よりも強い。』

『うん。リクとナナも今までにないくらい強くなったね。』


体力・技術力・スピード
どれもとっても5人は
歴代の王や神を上回っていた

しかし強すぎる力を支える為には
強い精神力が必要だ


『春達は一人一人の精神力が弱い。心がガラスのように脆い。』

『だけど5人で支え合うことで、ガラスはダイヤになった。何よりも硬くて美しい宝石みたいに。』

『……だから人は強い。常に成長を続け、更なる高見を目指す……だが。』


人が人でなくなってしまったら?
仲間と支え合うことが
できなくなってしまったら?

強すぎる力に呑まれてしまう


『試練を全て終えて完全覚醒した時に、春達は幸せになれるのか?』

『……僕には分からない。それが分かるのは多分一人の人間。』


¨絶対予知¨を持つ人間
あなたには何が視える?

闇を消した後に残るものは


『¨希望¨か¨絶望¨……か。』


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