空の少女と海の少年


「──ったく蓮のせいで遅れたじゃねーか。」

「海斗が馬鹿だからじゃん。」

「ああ?」

「なにか……ってあれ?…ねえ海斗あれだれ?」


奈央と優のトレーニングを終え
次に向かって走っていた2人が
玲のところに着いて見たのは
ベンチに座って欠伸をする玲
そして血だらけで地面に横たわるモノ


「……陸か?」

「うわ〜…玲酷いね…。」

「僕じゃないよ!奈々ちゃんだよっ!」


奈々

その言葉を聞いて2人は頷いた


「「奈々を怒らせた陸が悪い。」」

「待て!それは変だろ!」


薄情だけどもっともな発言に
思わずツッコミを入れた陸は
起き上がると口元の血を拭った


「ふう。全く奈々の愛情表現は効くぜ。」

「……ずいぶん歪んだ愛情だね。」

「つかどんだけポジティブなんだよ。」

「……ねえ〜。いい加減にやらないと春ちゃんと奈々ちゃんが待ってるかもよ。女の子に先越されるって男としてどうなの〜。」


カチン


海斗と陸と蓮の目つきが
変わったのを確認すると
笑顔で地面に転がっている
ボールを指差した


「今から的を出すからそのボールで当ててね〜……スタートっ!」


3人はボールの重さに
一瞬顔を歪めたが
的が現れると的確に
ボールを投げつけた

的が消えたのを見て
3人はすぐに次の
トレーニングに向かった


男として2人には負けられねえ!!


そんな3人の後ろ姿を見て
玲は楽しそうに笑った


「みんな単純だなあ〜。」


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