空の少女と海の少年


「僕は蓮。今日は君達2人に挨拶しにきただけだよ?なのに、君の友達が攻撃してきたから仕方なく……ね。」


少年──蓮がクスクスと笑うなか
春は少年の腕の中で震えていた
蓮はそんな春をチラリと見て
海斗に視線を戻した


「¨空の少女¨楠木春と¨海の少年¨古賀海斗。君達は魔神様にとって邪魔な存在だ。空と海は噂でしか聞いたことなかったから見ておきたかったんだ。なのに……」


もっと強いと思ったのに
こんなに弱いなんて

楠木春なんか力の扱いすら
まだ知らないじゃないか


蓮は深い溜め息をついた


「もう少し様子を見てから殺そうと思ったけど、いいや。さよなら。」


蓮は右手に黒い塊を作り
一瞬で海斗との間を詰めると
左胸にその塊を押し当てた


「ばいばい。」


バンッ!


「海斗っ!?」


_
< 51 / 652 >

この作品をシェア

pagetop