空の少女と海の少年


──もしもこれが現実なら
僕はどんなに喜んだだろう


最後の試練¨勇気¨の意味が
少し、分かった気がした

人でなくなる為に必要な事が
少し、分かった気がした


だけど同時に
僕にはその勇気がない事が
凄く、分かった


『……久しぶりだな、蓮。』

「魔神様……。」


真っ暗な空間に立つのは
僕と魔神様だけ

こんな所に魔神様がいるはずない

今頃、リールに操られて
城の玉座に座ってるんだ

だから、この魔神様は
闇の神が作った幻か何かだろう


頭の中では分かってる

幻なんだから早く殺して
さっさと完全覚醒しろって

分かってる

分かってるけど……


魔神は優しく微笑むと
その場に座り込んだ


『どうした?早く我を殺せ。』

「……出来る訳ないじゃん。」

『やらなければお前はずっとこの空間にいるんだぞ。』


それでもいいのか?

魔神の言葉に蓮は目を伏せた


……ごめん、春ちゃん

僕には無理かもしれない。


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