空の少女と海の少年


「──くしゅっ!」

「風邪でもひいたか?」

「んー、大丈夫だと思うー。」


春はムズムズする鼻を擦って
隣に座る海斗に笑いかけた


ステージは海斗と同じ思い出の海だが
水平線には夕日が沈んでいて
海は綺麗な茜色に染まっていた


こうやって海斗と2人で
黙って夕日見てると
胸がぎゅって締め付けられる


夕日は1日が終わる合図

楽しい時間が終わっていくのが
なんだか切なくて、悲しくて

だから春は夕日が嫌い。


この夕日が沈んだら
春は変わっちゃう

今までの春はいなくなっちゃう


そんな気がするのは……何で?


「春はさ、どうしたい?」

「どうしたい……って?」

「リールを倒した後、人間として自由に生きるのか。それとも、¨空の姫¨として空を守るのか。」

「……空を守る?なに、それ?」


春が首を傾げると
海斗は小さく笑った


「春は知らないんだな。まあ¨俺¨も知らないんだろうな。……クウ、いるんだろ?春に話してやれよ。」


海斗の声に反応して
光り出したジュエルは
春の元から離れると
人の形を作り始めた

そして、2人の前に現れたのは
淡い空色の光に包まれた男


『久しぶりだな、春。』

「……初対面だけど。」


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