空の少女と海の少年


大切な者を殺して合格するか

殺さずにこの空間に留まるか

2つの選択を迫られた時
どちらを選ぶか


そんなことは求められていない
第三試練で求められているのは

新たな選択肢を作り
それを選ぶことが出来るか


だから、相手を殺したり
逆に殺された瞬間に不合格となる


「でもさ〜…それって春に言っていいの?」


それに気づくのも試練の一つ
なのに、教えていては意味がないはず


春が首を傾げていると
海斗も首を傾げた


「……さあ?」

「えええっ!無責任過ぎるからあっ!」

「だって俺、あんまり¨海斗¨の人格が入ってないし。ミウは海斗の人格を50パーセント位しかコピー出来てないから、幻覚として作り出された俺の人格が残ってんだ。」


ミウによって作り出された
幻覚である海斗には
ミウの記憶も含まれる為
試練の内容が分かっていたらしい

そして、
春に激甘い海斗の人格は
その記憶を春に教えた


「そんな適当でいいのかな……?でも、何で海斗だけちゃんとコピー出来なかったの?」

「確か……途中で何かに邪魔されたんだ。だから半分しかコピー出来なかった。」

『……やはりあいつも目覚めるか。』

「え?」


懐かしそうに目を細めたクウを
春と海斗が黙って見ていると
クウは気を落ち着けるように
ゆっくりと息を吐いた


『¨空を守る¨とはどういう事か、と言ってたよな。……教えてやるよ。

空と海の事を。』


向けられた真剣な瞳に
春がコクリと息を呑むと
クウは静かに語り出した


_
< 540 / 652 >

この作品をシェア

pagetop