空の少女と海の少年
──本物の海斗は
春と剣を交えていた
海斗の攻撃を受け流すだけで
春は自分からは攻撃をしない
この意味のない戦いが
早く終わる事を望んでいた
「海斗っ!もうやめようよ!」
「喋る余裕なんてねーよ?」
「っ!」
一瞬できた隙をついて
海斗の剣が春の髪を切る
攻撃を避けながら
春は少しの疑問を感じた
……わざと外した?
今のタイミングなら
春に致命傷を負わせられた
なのに切られたのは数本の髪
それも、ほんの数ミリ
海斗が本気でない事に気づいた春は
その場に立ち止まって
双剣をジュエルに戻した
向かってくる海斗を見て
春はぎゅっと目を瞑った
春の行動に顔をしかめた海斗は
喉元に狙いを定めた
「……っ……ふぇ?」
「馬鹿か……。」
喉元に突けられた氷の剣は
水になって溶けていく
春が目を開くと
悲しそうに笑う海斗がいた
「やっぱ……無理だな。春は殺せねえよ。」
「……知ってるよ?海斗は優しいもん。」
笑顔を向ける春の頭を
海斗は優しく撫でた
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