空の少女と海の少年


「……春、あの偉そうなのは何かしら。」

「えーっと……春と海斗と蓮のご先祖様?」


春が首を傾げて言うと
海斗はそんなもんだろ。と頷いた

奈々達は訳が分からず
偉そうに腕を組む2人をジッと観察した

結果、分かった事


……美男美女。


『はっ、俺様が美しいのは分かるが見すぎだ。無礼者め。』

『こいつを見すぎると目が腐るわよ。それに、早く準備しなさい。いつまで待たせるのよ。』


そして最悪な性格。


この2人の子孫である
海斗と春が素晴らしく見える

受け継いだのが力と
容姿だけでよかった。と
奈々達は少しホッとした



クウとカイの指示に従い
5人は部屋の中央で手を繋ぎ円になった

準備が整うと2人は頷き合い
両手を前に突き出した


『───。』
『───。』


囁くように言った言葉は
知らない言語のようで
上手く聞き取れなかった


濃い青と水色が混ざったような
柔らかい光が体を包み込むと
5人は突然、強い眠気に襲われた


_
< 555 / 652 >

この作品をシェア

pagetop