空の少女と海の少年


『手は絶対に離すなよ。』

「ちょ……なんでだ……よ…。」


眠気に耐えきれずに
5人は手を繋いだまま
中心に倒れ込んだ

ぷかりと現れた海色の球体に
寄りかかるようにして
眠りについた5人を見て
クウとカイは軽く息を吐いた


『久々だから疲れたな。』

『今まで奴らが私達を惹きつけるような力を持たないのがいけないのよ。』

『だな。こいつらならやりがいがありそうだぜ。』


指を鳴らしながら笑った
クウの言葉にカイは軽く微笑み
2人は5人に向けて両手を突き出した

さっきとは全く違う
力の濃度の高い光を出すと
途端に真剣な表情になる


『『完全覚醒』』


2人が同時に言うと
光が何倍にも膨れ上がり
虹色に輝く光は5人を包み込んだ

あらかじめ眠りにつかせたのは
精神と体を覚醒に集中させる為だ


クウとカイは少し疲れを感じ
その場に座り込むと
完全覚醒が始まった5人を見た


『少し、疲れた。』

『私も。覚醒が終わるのは30分ってところかしら?……少し休みましょうか。』

『賛成。』


クウはそう言うと
空色のベッドを作り出し
カイは海色のベッドを作り出した

疲れた2人はベッドに入ると
覚醒が終わるまで眠りについた


_
< 556 / 652 >

この作品をシェア

pagetop