空の少女と海の少年
城に着き、サラが春を降ろすと
すぐに奥から少年が走ってきた
「はる!どこいってたんだよ!」
「あ、かいとっ!あのねっサラとおはなつんでたー。」
「かってにそとでんなよ!……しんぱいするだろ。」
海斗は照れているのか
頬を少し染めながら言う
春がありがとうと笑うと
海斗は軽く頷いて春の手を取った
「かあさまがよんでたからいくぞ。」
「うんっ!サラ、またあとでねっ!」
『……ああ。』
サラは苦笑いして手を振る
海斗が春に見えないようにして
勝ち誇った笑みを浮かべていたから
いつもなら殴っているが
……今日は別だ
走り去っていった2人を
悲しげに見つめていたサラは
次の瞬間には、その場から消えていた
_