空の少女と海の少年


春と海斗は母親達に連れられて
真っ白で大きな部屋に来ていた

床に描かれた魔法陣と
それを囲むように立つ神々

いつもとは違う張り詰めた雰囲気
春は母親の手をぎゅっと握った


その時、扉がゆっくりと開いて現れたのは
天使に連れられた2人の少年少女

春と海斗と同じように
状況を理解出来ていないのだろう
不安げな表情を浮かべ
キョロキョロと部屋を見渡していた


『集まったな。2人共、こっちに来い。春と海斗もだ。』


ソウが言うと、春と海斗は従い
2人は後ろに立つ天使達を見る

目に涙を浮かべる天使達は2人の母親だろう
天使達にそっと背中を押されると
2人は戸惑いながらも魔法陣の中心に立った


神々は準備が整うと
両手を上に上げて言葉を紡ぐ

言葉に反応して魔法陣が光りだすと
一気に不安が4人を襲った


「かあさま!なにをするの!」

「かあさん!おれこわいよ!」

「おかあさん……これ、なに…?」


3人の言葉に、母親達は俯く
その代わりにソウが話し出した


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