空の少女と海の少年


『お前たちはこれから人間界に行く。そこでたくさんの事を学べ。』

「そんな……。」


少女は口元に手を当てて涙を流すと
少女の前に綺麗なハンカチが差し出される

少女が顔を上げると
春はハンカチを渡した


「なかないで?だいじょうぶだよ。」

「……ありがとう。」


少女がハンカチを受け取ると
春は3人に笑顔を向けた

太陽のような暖かい笑顔に
自然と心が軽くなる


「いっしょにがんばろーねっ。」

「うんっ!」

「よしっ、おれがはるをまもってやる!」

「がんばろーぜっ!」


さっきまでの不安が消え
はしゃぎだした4人を見て
神々は思わず作業を中断していた


『さすが春様ですわ。』

『これはこれは、活躍が期待出来そうですね。』


クスクスと笑うセラとユラ

ソウは優しく微笑んで
神々と共に作業を再開する

暖かい光に包まれる中
4人は笑顔で母親に手を振った


そして、4人の子供達は
人間界へと旅立った


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