空の少女と海の少年


「──痛ぁっ!!」


勢い良く地面に叩きつけられ
強く打ったお尻をさすりながら
春は周りを見渡した


一面に広がる花畑に
サラとウタの姿はない

その変わりに見えたのは
遠くの方に広がり始めた雷雲

意味するのは戦いの再開
しかも、リールの参戦により
状況は最悪だろう

もしかしたら……。と
嫌な考えが頭を過ぎるが
頭をブンブンと振って必死に否定する

しかし、否定すればするほど
恐怖が春を襲い、涙が溢れそうになる

そんな時に後ろから
焦ったような声が聞こえた


『……春!?何でここにいるの!』

「ミウ……。サラが…っ……ウタがあっ……!!」


振り返った先にはミウがいた

嗚咽しながらも状況を話すと
遠くに広がる雷雲を見てミウは頷いた


『そう……。春、城に行こう。みんなはそこで王達を守ってるから。』

「嫌!お願いミウ!サラ達の所に連れて行ってよっ!」

『……それは出来ないよ。』

「何で!?早くしないと2人は……春が助けないと!春が2人を守らないと!」


パンッ


乾いた音が花畑に響くと
春は目を見開いてミウを見た

赤くなった頬を透明な雫が伝う


『2人の作ってくれた時間を無駄にしないで。春が守るのはサラとウタじゃない……この世界だよ。』


ミウは冷静に言い放つと
黙って動かない春の手を取り
立ち上がらせ、城に向かった


_
< 578 / 652 >

この作品をシェア

pagetop