空の少女と海の少年
──リールは羽根をバサリと
大きく羽ばたかせて止まると
自分達が来た方向を見た
血の様に紅いその瞳に映ったのは
儚くも散った3つ命の光粒
悲しんでいるのか
哀れんでいるのか
楽しんでいるのか
怒りを感じているのか
感情を表さない瞳は
ただ、光粒を見つめる
2人の魔神もその場に止まり
溢れる思いを潰すように
ギュッと拳を握り締める
──リール様を任せたぞ。
確かに聞こえた兄の声が
その小さく、優しい声が
2人の頭の中に繰り返し流れる
¨神¨の名を持つ者の魂は何度も廻る
生まれ変わると分かっていても
また会えると分かっていても
大切な者の¨死¨
そのことに慣れることはない
『兄上……。』
『………。』
2人が様々な思いを巡らせている間
時間が無いにもかかわらず
リールは黙っていた
堕天使であるリールだが
大切な者の¨死¨
その悲しさは知っていた
唯一の友の死は
闇の牢獄の中で知った
何も出来ないまま
救う事が出来ないまま
友は死んでいった
何も出来なかった自分を責める感情
同じような感情を2人も抱いているのか
……2人には悪いけど
時間が無くなったみたいだね。
反対方向に突然現れた5つの気配を感じ
リールは羽根を羽ばたかせた
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