空の少女と海の少年


「奈々は俺が護ってやるからな。」

「別にいいわ。」


……ほら、可愛くない。

素直になんかなれなくて
どうしていいか分かんなくて


目の前が真っ暗になって
フワリと陸の匂いがすると
抱き締められてるんだと気付いた


多分、陸は笑ってるわ。


素直じゃねえな。って
心の中で思ってるんでしょう?


しょうがないじゃない。

どうすればいいのよ。


春みたいに笑顔で笑えない
海斗みたいに真っ直ぐじゃない
蓮みたいに素直じゃない


こんな私のどこが好きなのか
たまに、陸が分からなくなる


「奈々大好き。」


ほら、またずるい。

何で私が言えない事を簡単に言うの?


たった3文字の

大 好 き


それだけなのに難しい

陸に負けてばっかじゃ悔しいから

私はそれより難しい言葉を言ってやるわ


「私は……愛してるわ。」


_
< 591 / 652 >

この作品をシェア

pagetop