空の少女と海の少年
空間から鎌を引き抜くと
奈々に刃を向けるが
その間を塞ぐように
横からスッと手が出て来た
リールはまたか。と
溜め息をつき、鎌を下ろすと
横に立つテノンを見上げた
『何なのよもう……。私も戦いたいんだけど。』
『城で存分にお戦いになって下さい。』
『……チッ。』
『リール様、舌打ちはお止め下さいと何度申し上げたらご理解いただけるのでしょうか?』
無表情なまま淡々と話すテノンに
リールはムッとしながらも
素直に鎌を空間にしまった
テノンは逆らうと煩いからな……。
心の中でブツブツと文句を言いながら
リールは羽根を羽ばたかせて空に浮いた
複雑な表情を浮かべるレノンは
しばらく兄の背中を見つめていた
また、兄を失うかもしれない
ここは自分がやるべきではないのか
様々な考えがレノンの頭を過ぎる
『レノンは私が負けると思っているのか?』
『……いえ、違います。』
『お前にはまだやることが残っているだろう。ここは私に任せて、リール様と共に城へと迎え。』
我のやること……か。
この手で蓮を殺さねばならない
リール様に殺されるのならせめて……
『私を信じろ。』
『はい!』
改めて決意を固めたレノンは
テノンの言葉に強く頷いた
その様子を見ていたリールは
深く溜め息をついて目をそらす
テノンが一瞬、友の姿と被った気がした
¨私はリールを信じてるよ。¨
¨信じる¨は私の嫌いな言葉。
信じた分、裏切られた時が辛いから。
唇を噛み締めるリールの
表情は誰にも見えなかった
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