空の少女と海の少年


『我は魔神でお前は空。それは変わらない事実で、変える事の出来ない事実。』

「分かってる。」

『手を抜くな。本気で来い。』

「魔神様もね。」


レノンと蓮は空間から同時に剣を引き抜く

以前は漆黒だった蓮の剣は
春と同じ、澄んだ空色になっていた


花畑に咲く花々が
風に揺れてサワサワと鳴ると
2人は相手を斬る為に走り出した


「ばかあーーっ!!何やってんのさあーー!!」


距離が近付き剣を振った時
突然2人の間に茶色の塊が現れ
キンッと甲高い金属音と共に
2人の剣を双剣で受け止めた


「戦う必要なんてないじゃん!なのになんで戦うの!?後悔するの分かってるんでしょ!!」

「春ちゃん……。」

「大切なものを守る為に戦うんだよ!大切なものを傷付ける為の戦いじゃないんだよ……!」


俯いている春の表情は
2人からは見えないが
小さく震える体と声で
泣いていることは分かった

2人がそのまま剣を下ろすと

春も双剣を消して顔を上げ
涙が溜まる瞳で真っ直ぐ2人を見つめた


「2人の大切な人は誰なの……?」


_
< 602 / 652 >

この作品をシェア

pagetop