空の少女と海の少年


クスリと笑ったリールの瞳

血の紅色に輝いたその瞳に捕らわれて
春の体は自由を奪われた

真っ白で冷たいリールの手が
そのまま、逃げられない春の頬に触れる


「っ春!」


海斗達は武器を構え
一瞬でリールの前に移動したが
武器が触れる直前で
見えない何かに弾かれる


『黙って見てなよ。今から楽しい事が起こるんだから。』


リールが春から手を離すと
魔法陣は更に大きくなり
春の足元を取り囲んで輝きをます

春は真っ青になって
逃げようと必死に体を動かすが
やっと動いたのは指一本だけ

それを見たリールは
わざとらしく首を傾げた


『……動かせるはずないんだけどな?やっぱお姫様は強いね。』

「………い…や……。」

『それに喋れちゃってるし。本当、最高だよ。』


クスクス笑うリールだが
ふと視線を逸らして横を見ると
結界が強い光によって
徐々に溶かされていた


『無駄な事だよ、王子様。』

「……っ春!!」


光を放つ剣を持つ海斗は
怒りに顔を歪めながらも
結界を破ろうと剣に力を込める

海斗の想いに呼応するように
剣は更に輝きを増し
結界にはヒビが入っていく


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