空の少女と海の少年
瓦礫の動きは激しくなり
しばらくして止んだ
海斗達がゴクリと息を呑んだその時
勢い良く瓦礫が吹き飛び宙を舞った
砂が舞い上がる中から現れた5人の姿に
海斗達は安堵しリールは眉をひそめた
砂の付いた金色の髪を
ブラッシングしながら周りを見渡し
奈央は隣に立つ玲の頭を掴んだ
「──玲……あんた草のプロなんだから、これなんとかしてよ!」
「僕こんなの知らないから無理〜。」
「はああっ!?無理じゃない!やれ!」
「じゃあ奈央ちゃんやってよー。」
玲の隣に立つ蘭が言うと
奈央はしばらく黙って後ろを見た
「優任せた。」
「これは斬ってもキリがないので無理ですね。」
「「じゃあやっぱ奈央ちゃんやってよー。」」
玲と蘭がハモると奈央は溜め息をついて
ブレスレットに触れて銃を構えた
武器を構えた途端
静かだった根が一斉に5人に襲い掛かる
「うっぜえんだよ!!」
心からの叫びと共に放たれた弾が
ひとつの根に撃ち込まれた瞬間
全ての根が水晶へと変化した
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