つま先立ちの恋
私はフーの正面に座った。お行儀良く膝の上に手を重ねて、こっそりフーの様子を窺う。

やっぱりフー、ひどく疲れてるみたい。

久し振りに会えたフーは、随分と印象が変わっていた。

私が大好きなワイルドな目も今はナイフみたいに鋭くて、見つめ合えば胸の奥が切りつけられそうだし、いつもパリッと着こなしているスーツも、サイズが合ってないように見える。その証拠にフーの肩、なんだか妙な空気が入り込んで膨らんでるみたいだし。

もしかしてフー、痩せちゃったのかな。

きっと会社でイヤな目に合ってるんだ。

ただでさえフーは夏が苦手なのに、こんな目に見えて痩せちゃうなんて…

そう思ったらまた、フーの姿がぼやけていた。

ダメ、泣いちゃ!

私が泣いてどうすんの!

ツライのはフーの方なのに。
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