つま先立ちの恋
「これ以上、お前の為に時間を割くつもりはない。とっとと帰れ」

予想外の展開に頭が切り替わらない。

でも早く、早くしなくちゃフーはこのまま行っちゃう。それがわかっているからこそ焦る私。

でもお願い、待って。

「フー、私の話を聞いて」

待って、フー。
私は必死になって思考回路を回す。今度は頭が熱くなってきた。だけど、今使わなきゃ。

テストよりも勉強よりも大事なの。今、使わなきゃ!

「これ以上何を聞けと言う」

行かないで!

「お父さんから聞いたの!」


その瞬間、腕時計を見ていたフーの表情が目に見えて変わったのがわかった。


そっか、そうだったんだ!

これを言えばよかったんだね。私もつい焦って結論だけフーに言っちゃったから、フーにはわからなかったんだ。私のプロポーズの重大さが。


私はどこかホッとして、話を続ける体勢に入った。


< 153 / 468 >

この作品をシェア

pagetop